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ESL Podcast English Café 573-1:実体験をもとにSF小説を書いた作家カート・ヴォネガット, Kurt Vonnegut

2016/09/23

 

ESL Podcast English Café 573」の1つ目の話題の作家「カート・ヴォネガット:Kurt Vonnegut」の要約です。同じ回の他の話題については以下のリンクからどうぞ。

English Café 573-2:日本ではクリスマスの曲になった!?星に願いを。When You Wish Upon a Star

English Café 573-3:質問コーナー to knock up, to knock down, to knock over, to knock off; new, brand new; give and take

 

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目次

Kurt Vonnegut

Indianapolis:インディアナ州の州都(capital)

カート・ヴォネガットは、1922年の11月(November)にインディアナ州の州都インディアナポリス(Indianapolis, Indiana)で生まれました。

インディアナ州はアメリカの中西部(the Midwest)に位置し、シカゴがあるイリノイ州(Illinois)の隣の州です。

Indianapolis, Indiana

Indianapolis, Indiana

 

editor:編集者、編集

ヴォネガットは、高校時代から執筆をはじめ、高校の新聞向けに記事を書きました。私も高校時代は学校の新聞に記事を書いていて、実は編集長(editor)もやってました。

 

creative writing:創作文講義、小説などの書き方を学ぶ大学のコース

高校卒業後、ヴォネガットは、ニューヨークの私立大学コーネル大(Cornell University)に進学しました。彼は文学(literature)や創作文(creative writing)は勉強していませんでした。

 

biochemistry:生化学

ヴォネガットは科学に興味をもち、生化学(biochemistry)を勉強しました。生化学とは、生物(living things)の化学反応(chemical processes)を扱う科学分野(a branch of science)のことです。

1943年、第二次世界大戦(World War II)のため、ヴォネガットは他の多くの若い男性と同じく大学を離れ、アメリカ陸軍(U.S. Army)に参加しました。

 

to be stationed:配置させられた、駐在させられた

ヴォネガットは戦争中はヨーロッパに配属されました(to be stationed)。"to be stationed"は、「特定の地域で生活し仕事をするために送られる」という意味です。

この言い方は通常は、軍隊に所属している人達に対して使われます。

 

to be capture:捕まえられる、捕虜にされる

戦争中にヨーロッパでいるときに、ヴォネガットはドイツ軍の捕虜(prisoner)として捕まえられました(to be capture)。

 

to bomb:爆撃する、爆弾を投げつける

戦争中の1945年、ヴォネガットはドイツの都市ドレスデン(Dresden)への爆撃(the bombing)を生き延びました。

関連サイト:Wikipediaドレスデン爆撃Bombing of Dresden

 

controversial:(形)論争の的になる、物議を醸す

戦後、このドレスデンへの爆撃は論争の的となりました(controversial)。一部では何十万(hundreds of thousands)もの人々を、この爆撃で死に至らしめたのは、必要のない(unnecessary)ことだったと言われています。

 

Allies:連合国、連合軍

ドイツと敵対していた連合国(アメリカ、イギリスなど)は自分たちの爆撃という選択を弁護し(defend)、実際の死亡者はおそらく2万から2万五千人に近い数(closer to 20 to 25 thousand)だろうと述べています。

このドレスデン爆撃は、目撃者となったヴォネガットに深刻な影響を与えました。

※第一次世界大戦では連合国(Allies)と中央同盟国(central powers)に分かれて戦い、第2次世界大戦では連合国(Allies)と枢軸国(Axis Powers)に分かれて戦いました。連合国(Allies)は名称は同じですが参加する国は各戦争で違います。

axis:軸、中心線

 

journalist:ジャーナリスト、記者、報道関係者

ヴォネガットはアメリカに戻り、ジャーナリスト(journalist)として働き始め、シカゴ大学でもいくつかの講義を受け始めました。

 

public relations:広報活動、宣伝、PR活動

その後は、広報(public relations)の部署で働きました。"public relations"は、会社や企業で働く記者(writer)のことで、企業の活動を肯定的に伝えようとする仕事です。

 

short stories:短編小説

ヴォネガットはジャーナリストとして働くのも、広報として働くのも好きではなく、1950年代から短編小説(short stories)を執筆しはじめました。

 

technology:科学技術、テクノロジー

ヴォネガットの小説は、テクノロジー(technology)に焦点を合わせる傾向がありました(tend)。

テクノロジーは、科学(science)を実践的な目的(practical purposes)、もしくは科学的な原理(scientific principles)を、機械や装置(instruments)を作るために使用するものです。

 

science fiction:サイエンス・フィクション、SF、空想科学

ヴォネガットの小説はサイエンス・フィクション(science fiction)だと一部では言われています。

サイエンス・フィクションとは基本的に未来の話で、人々や社会が、科学の発展(development)からどのように影響を受ける(be affected)のかというものです。

 

genre: (芸術作品の)類型,形式,様式,ジャンル

スタートレック(Star Trek)やスター・ウォーズ(Star Wars)といった映画を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、そういったものもサイエンス・フィクションというジャンル(genre)にあたります。

 

society:社会、地域社会、協会

ですがヴォネガット自身は、自分の小説をサイエンス・フィクションだとは見ていませんでした。自分が生きている時代の事も含めて、科学が社会(society)や人々の生活に影響を与える様への解説(commenting)や討論(discussing)の場としての作品だと考えていました。

 

Player Piano:自動演奏ピアノ

彼の最初の作品は「自動演奏ピアノ:Player Piano」という話で、1952年に出版されました。機械やロボットにより世界が統治される(control)という内容です。

 

siren:セイレーン、サイレン

2作目の作品は「タイタンの妖女Sirens of Titan」で1959年に出版されました。

セイレーン(siren)はギリシャ神話(Greek mythology)に出てくる美しい女性のことで、彼女は美しい歌声で船乗り(sailor)の動きを止めてしまいます。

 

underlying:下にある、根本的な、潜在的な

このセイレーンの逸話には、一種の潜在的なテーマ(underlying theme)があることがお分かりでしょう。

美しい女性はその美しさにより、人の気を散らせ(distract)、破滅(ruin)をもたらし、害をなす(harm)だろうという概念(notion)がそこにはあります。

 

irresistible:抵抗できない、抑えられない、人を悩殺する

セイレーンの歌は、あまりにも美しかったので抵抗できませんでした。船乗りたちにはどうしようもなかったのです(couldn’t help themselves)。

 

titan①:ギリシャ神話の神、タイタン、巨人

タイタン(titans)もまた、ギリシャ神話から来ています。非常に強力な神々です。タイタンたちは、ゼウス(Zeus)やヘラ(Hera)やアテナ(Athena)といったギリシャ神話に関わりのあるギリシャの神々(the Greek pantheon)よりも以前からいた(come before)神なのです。

titan②:巨匠、大物

日常の英会話の中では、タイタン(titans)はある領域で非常な権力を持つ人の事を指します。"titans of business"と言えば、事業の領域で最も力を持つ人のことを意味します。

 

alien:異星人、宇宙人、外国人

ですがヴォネガットの小説は、ギリシャ神話をテーマとしては取り上げていますが、ギリシャ神話について書かれたものではありません。異星人(alien)により地球になにが起こったのかについてのお話です。

ヴォネガットの小説は読者にとても好評で、特に若い世代に人気がありました。

 

Cat’s Cradle:あやとり、糸を使った子供の遊び

1963年には、「猫のゆりかごCat’s Cradle」を出版しました。"cat’s cradle"は子供たちの遊びの名前で、糸と指を使って遊ぶものです。

このお話は、カリブ海(the Caribbean)の島に住む人々が新しい物質を発見し、その物質によって最後には世界を破壊してしまうというストーリーです。

How to do Cat's Cradle EASY!

 

based on:基づく

彼の次の作品は「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを:God Bless You, Mr. Rosewater」で1965年出版されました。

この小説にはキルゴア・トラウト(Kilgore Trout)という人物が登場します。トラウトはヴォネガットが自身の経験を基に(based on)生み出したキャラクターで、他の小説にも登場します。

 

to slaughter:動物を屠殺する、人を虐殺する

1969年には、ヴォネガットの最も知られた作品で、彼を有名にした「スローターハウス5Slaughterhouse-Five」が発表されます。

※"Slaughterhouse-Five"は、第五屠殺場という意味のようです。ノンフィクションではなくサイエンス・フィクションです。

小説のタイトルの中に使われている言葉"to slaughter"は、動物や大勢の人を殺すという意味です。"to slaughter people"という使い方をしますと、殺されるときに自分たちを守ることができない動物たちのように、自身を守ることのできない人達を殺すという意味になります。

 

classic:一流の作品、古典

この小説は、第二次世界大戦中にヴォネガットがドイツで経験した、ドレスデンでの爆撃について書かれたものです。

この小説はすぐさま現代の古典(modern-day classic)と呼ばれるようになりました。みんなが読むべき本、長い間記憶に留めておくべき素晴らしい本という意味です。

1972年には映画にもなりましたが、小説ほどには人気がでませんでした。

Slaughterhouse-Five Official Trailer #1

 

Breakfast of Champions:アメリカの朝食用シリアルの名前

ヴォネガットの次の作品は「朝ごはんのチャンピオン:Breakfast of Champions」で、有名になった作家が自身の名声にいかに対処するかという内容です。

 

breakfast cereal:朝食用シリアル、コーンフレーク

"Breakfast of Champions"は、ヴォネガットのオリジナルではありません。人気のある朝食用シリアルのウィーティーズ(Wheaties)で使われていたフレーズなのです。

ミネスタ州にあるジェネラル・ミルズ(General Mills)という会社で作られていたウィーティーズは、1920年代から30年代にかけて、このフレーズを使っていたことで有名です。

またウィーティーズは、シリアルの箱に著名なスポーツ選手の写真を使っていたことでも有名です。私もこのシリアルの味が好きで、毎日食べていました。

ウィーティーズの有名なフレーズを小説のタイトルに使いましたが、内容はまったくシリアルとは関係ありません。

 

depression:うつ病、意気消沈、不況

1970年代の彼の仕事は、初期の物に比べると少ないものでした。その理由は、うつ病(depression)のためでした。うつ病は精神的な病で、悲しい気持ちになったり、希望がなくなったりします。

 

to commit suicide:自殺をはかる、自殺する

1984年には、うつ病がとても重くなり、自殺を図りました(to commit suicide)。ですが彼は生き延び、1980年代、90年代を通して執筆活動を続けました。

 

injury:負傷、怪我

2007年に、ヴォネガットは転倒(falling)による怪我(injury)が元で亡くなりました。

彼の作品は今だに人気がありますが、特に彼の出世作「スローターハウス5」が人気です。ほとんどのアメリカ人は読んだことがなくても、この本のことをよく知っています(be familiar with)。

 

関連サイト:Wikipedia(カート・ヴォネガット, Kurt Vonnegut

English Café 573-2:日本ではクリスマスの曲になった!?星に願いを。When You Wish Upon a Star

English Café 573-3:質問コーナー to knock up, to knock down, to knock over, to knock off; new, brand new; give and take

 

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