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ESL Podcast English Café 575-1:アメリカの首都がワシントンDCになった理由(彷徨う政府と借金取りになった兵士), The Pennsylvania Mutiny of 1783 and the creation of the District of Columbia

2016/11/09

ESL Podcast English Café 575」の1つ目の話題の「The Pennsylvania Mutiny of 1783 and the creation of the District of Columbia」の要約です。同じ回の他の話題については以下のリンクからどうぞ。

ESL Podcast English Café 575-2:目障りだから取り除けと言われても生き延びた凄いヤツ!ハリウッドサイン, The Hollywood Sign

 

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ワシントンDCのDCが「コロンビア特別区:District of Columbia」だと初めて知りました。アメリカ政府が兵士たちにお金を払えず、彷徨い歩く箇所にちょっと笑いました。彷徨う議会、彷徨う政府、しかも借金払えないせいで!払ってやれよ~。頑張ってイギリスと戦って独立したのにねー。

 

The Pennsylvania Mutiny of 1783 and the creation of the District of Columbia:ペンシルバニア暴動(1783年)とコロンビア特別区の創設

今回は、なぜアメリカの首都が州ですらない特別な場所「コロンビア特別区:District of Columbia」に置かれているのかというお話をしましょう。

 

American Revolution:アメリカ独立革命・戦争(1775‐83)

アメリカ独立戦争中に(American Revolution)、アメリカ内の13箇所に及ぶイギリスの植民地が結集したアメリカ合衆国(United States of America)は、当時最も大きかった都市のペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia)を、首都(capital city)とすることにしました。

※「13箇所~結集した」のあたりは私が付け加えたもので、音声内では言及されていません。

 

Philadelphia, Pennsylvania

Philadelphia, Pennsylvania

 

Congress:議会、国会

フィラデルフィアは初期のアメリカにとって大変重要な場所で、最初の議会(Congress)、もしくは地域の代表者たち(representative)のグループが集った(met)場所でもあります。

 

Declaration of Independence:独立宣言(1776)

またフィラデルフィアは、初期のアメリカのリーダーたちが独立宣言(Declaration of Independence)に署名した場所でもあります。

 

capital:首都、中心地、資本、大文字

新生アメリカ合衆国は独立戦争が終わった1781年に、恒久的な首都(capital)を決めようとしました。

"capital"は、国の政府要人たちが集い、執務室(offices)が置かれる場所のことです。

 

capitol:国会議事堂、州議会議事堂

ちょっと混同しがちですが、同じ発音を持つ"capitol"という言葉もあります。

最後が "ol"で終わっていて、政府要人や代表者たちが集結する実際の建物のことを意味します。

現在のアメリカの首都(capital)はワシントンDC(Washington, D.C.)で、国会議事堂(capitol)のことを議会(Congress)と呼んでいます。

1781年に、首都(capital)も国会議事堂(capitol)も両方ともフィラデルフィアに置かれることが決まりました。

 

finances:財源、歳入、財力;財政

当時の政府は問題を抱えていました。独立戦争に勝利するために、兵士たちにお金を払う約束をしていたのです。

アメリカ政府は「約束通りにお金は払うが歳入(finances)を集めるのに、実際は2,3年程かかる」と兵士たちにいいました。

"finances"は、企業や国といった組織体が持つお金のことです。

 

impatient:気短な、せっかちな、イライラした

独立戦争から2年経った1783年頃には、兵士たちが政府にイライラし始めました(impatient)。

兵士たちが受け取れると思っていたお金を、まだ受け取っていなかったからです。

そこで、首都フィラデルフィアがあり議会も置かれていたペンシルバニア州の兵士たちは、自分たちが怒っていることを政府に知らしめることにしました。

 

responsible:責任がある、原因である

1783年6月20日、400名の兵士が、政府と話し合うためにフィラデルフィアに到着しました。

兵士たちは、ペンシルバニア州のリーダーであったジョン・ディキンソン(John Dickinson)との会談を望みました。

ディキンソンは、兵士たちにお金を払う責任がある(responsible)人物です。

ですが政府要人(government officials)は誰ひとりとして、兵士たちと会おうとしませんでした。

 

mutiny:暴動、反乱

その2日後、政府は兵士たちからメッセージを受け取りました。

そのメッセージには、フィラデルフィアから西に100kmほどのところにある街ランカスター(Lancaster)から80人の兵士が来て、既にフィラデルフィア市内にいる兵士たちと合流したと書かれていました。

合計で500人となった兵士たちは、お金を受け取れないのなら政府に対して反乱(mutiny)を起こすだろうと言いました。

 

Lancaster

Lancaster

 

take over:引き継ぐ、接収する

反乱(mutiny)とは、兵士や軍関係者がリーダーの言うことをもう聞かないと決め、そのかわりに統率(leadership)を自分たちが接収する(take over)というもので、通常いくらか暴力が伴われます。

 

On behalf of~:~のために、~を代表して

ディキンソンと議会の一部は、実際には兵士たちに何かが出来るとは思っていませんでした。

ですが、当時最も著名だった政治家のアレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)を含め、他の議会のメンバーたちは、兵士たちが何かをやるだろうと考えていました。

自分たちの安全への懸念を感じていた議会メンバーのために(On behalf of~)、ハミルトンはディキンソンに、彼らを守るために民兵(militia)を議会の建物(Capitol Building)に配置するように頼みました。

 

militia:民兵、義勇軍

民兵(militia)とは軍隊(a military force)のことで、通常の軍ではなく訓練されていない一般人(civilian)によって組織されています。

ディキンソンは民兵に議会を守らせる案を退けましたが、ハミルトンは民兵に守らせたほうがいい、そうでなければフィラデルフィアを議会メンバーたちは離れるつもりでいると告げました。

 

Capitol Building:国会議事堂

2日の間、兵士たちは国会議事堂(Capitol Building)の外で待機していました。誰も乱暴なことはしませんでしたが(Nobody got violent)、議会メンバーは自分たちの身の安全への懸念を感じました(got concerned)。

そこで議会メンバーはフィラデルフィアを離れ、お隣のニュージャージ州にあり、約80kmほど離れたプリンストン(Princeton)に移りました。

プリンストンにはプリンストン大学があります。

Princeton, NJ

Princeton, NJ

 

hold:(会議やパーティなどを)開催する、手に持つ

兵士たちも自分たちの家に帰りましたが、議会は彼らからのメッセージを受け取り、フィラデルフィアに議会メンバーの安全はないことをに気が付きました。

続く数年の間、議会は街から街へと移っていきました。メリーランド州(Maryland)やニューヨーク州、ニュージャージー州でも議会を開催しました(hold)。

 

district:(行政目的などで区分された)地区、管区

1785年から1790年にかけてはニューヨーク市に議会メンバーは集いました。そして新しい首都をつくる10年の間、フィラデルフィアへ戻ることに決めました。

その新しい場所は、初めからあった13州(13 original states)のどこの一部でもない場所で、政府が所有する地域(district)、連邦直轄地(federal district)でした。

これは珍しいことではなく、例えばメキシコの首都メキシコ・シティ(Mexico City)もメキシコ連邦の直轄地です。

 

stand for~:~を表す、象徴する

アメリカにも連邦直轄地があり、それはワシントンDC(Washington, D.C.)です。

ワシントンDCの"DC"は、コロンビア特別区(District of Columbia)を表しています(stand for)。

 

Washington, D.C.

Washington, D.C.

 

permanent:半永久的な、常設の、終身の

ワシントンDCは、アメリカ政府の永住地(permanent home)です。

"permanent"の反意語は、"temporary"で意味は「一時の、間に合わせの」です。

 

residence:住宅、官邸、住処(すみか)

首都立地法(Residence Act of 1790)は、初代アメリカ大統領のジョージ・ワシントン(George Washington)によって承認されました(was approved)。

"residence"は、通常は人が住む家のことですが、この場合は政府の所在地(home)を意味します。

 

along~:~沿いの、~に従って

ポトマック川沿い(along the Potomac River)の260km²(約100mile²)の地域を政府は選びました。

ポトマック川はメリーランド州とバージニア州を分ける川です。ですのでこの連邦直轄地をつくるために両州は自分たちのエリアを放棄しました(give up)。

 

then-existing:(形)当時は存在した

この地域が選ばれた理由のひとつは、当時存在した(then-existing)州の中央に位置しているからでした。

 

Atlantic Ocean:大西洋

最初からあった13州はすべて、アメリカの東岸(eastern coast)沿いに、大西洋(Atlantic Ocean)沿いにありました。

ですので、それらの州の中央にあたる場所が選ばれたのです。

 

get:到着する、着く、得る、理解する

この場所が選ばれた他の理由としては、人々がポトマック川を使って楽に首都に着く(get)ことができたというのもあります。

特に西側の新しい地域のオハイオやウエストバージニアなどから、簡単に首都まで来ることができました。

 

Mount:小さな山、丘

この場所が選ばれた最後の理由は、ジョージ・ワシントン大統領の家が近かったからというのもあります。ワシントンはバージニアに自宅がありました。

現在でもワシントンの家だったマウントバーノン(Mount Vernon)に行くことができます。

"Mount"は、小さい山や大きな丘のことです。

※マウントバーノンはPodcastも配信しているようです。

 

Mount Vernon

Mount Vernon

 

name after~:~にちなんで名付ける

ワシントンDC(District of Columbia)のワシントンは、ワシントン大統領が自分の名前を取って名付けたものです。

※コロンビアは、アメリカ大陸を発見したコロンブス(Colombo)にちなんでいるそうです。

 

National Mall:ナショナル・モール(国立公園)

首都建設には10年の月日がかかりました。フランス人の建築家ピエール・シャルル・ランファン(Pierre Charles L’Enfant)が設計を担当しました。

ランファンの設計の最も重要な箇所は、ナショナルモール(National Mall)と呼ばれる公園でした。

国会議事堂やワシントン記念塔(Washington Monument)などの政府の重要な建物が、このナショナルモール周辺に建てられています。

 

mall:モール、ショッピングセンター

"mall"は現代では、ショッピングエリアのことを意味します。

ナショナル・モールの場合、"mall"は中央地域という意味で使われています。

 

originally:元来は、はじめは

ほとんどのアメリカ人と同じように、私もアメリカの首都をワシントンDCとご説明してきましたが、厳密に言うと、コロンビア特別区は本来はワシントン市よりも大きかったのです。

ワシントン市はコロンビア特別区の内部にある市だったんです。

 

in particular:特に、とりわけ

ですが、とりわけ南北戦争(Civil War)中に、コロンビア特別区に移動した人が増え、ワシントン市はコロンビア特別区と同じ大きさになりました。

 

Pacific Ocean:太平洋

アメリカにはワシントンという地名がもう一箇所あり、カルフォルニアの北、太平洋(Pacific Ocean)に面した位置にあります。

 

関連サイト:Pennsylvania Mutiny of 1783 Wikipedia

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